― 個人と法人、顧客はどちらが多いのでしょうか。
圧倒的に個人のお客様で、30代から40代前半のビジネスマンがもっとも多くなっています。たとえば、提携している不動産会社を通じた住宅ローンの相談。銀行に相談しても、自分のところで契約をとるのが落としどころですから、他行をすすめることはありませんよね。我々は中立な立場で、お客様にとって最適のご提案ができます。
あるIT企業の社長様からも相談を受けましたが、中小企業の場合、個人と法人の資産がごちゃごちゃになっているケースが多々あります。自分で情報を集め、銀行や証券会社にも相談したけど、どの情報が有用で、どう処理すれば効率的なのかわからなくなった、と。金融全般の知識が必要で、難しい案件ではありますが、新事業のために会社の資産とするならこう。個人資産を増やすならこう。いろんな分野の金融商品を含めてご提案すると、「とてもわかりやすい」と評価してもらえました。
― 顧客に接する際の、基本的なスタンスをお聞かせください。
徹底したヒアリングで「お客様の金銭感覚」をつかむ。これを全社で心がけています。金銭感覚は人それぞれで、100人いれば100通りです。最初はお客様に気持ちよくしゃべっていただき、キーワードを抽出しながら金銭感覚を明らかにして、その人に最適のプランは何かをアドバイスする、という流れ。たとえば「お金を貯めたい」という方がいたとします。それが、単に老後が不安で貯めているのか、将来、大きな家に住むために貯めているのかでは、提案の内容が変わってきます。夫婦でご相談に来られると、金銭感覚が夫婦で真逆ということもあり、双方の話を聞き、仲裁した上でプランを考える。そういう柔軟な対応も必要ですので、人に対して鈍感では務まらない仕事でもあります。
もう1つ、お客様と接するときに心がけているのは、楽しく、明るく話すこと。お金の話になると、日本人は小声で、ひっそり、という方も多いのですが、楽しい雰囲気がなければ、将来に対して前向きのマインドも生まれないでしょう。明るく、笑いも交えながら、将来を楽しく語り合える場づくりを心がけています。
― 田中社長は、小学校から10年間シンガポールで過ごしていますが、そうした体験も影響しているのでしょうか。
経済に関しては、華僑の国らしく非常にシビアなところもあります。でも、向こうの人は基本が南国ノリで、お金を貯めるのも、使うのも楽しそうに話しているし、そういう影響は少なからずあると思います。
―
なぜ日本で、このビジネスで起業しようと思ったのでしょうか。
ぼくが小さい頃、シンガポールは今ほど発展していませんでした。まわりには日本の企業、ビジネスマンが大勢いて、シンガポールの経済成長に対する日本人の貢献度は、向こうでは高く評価されています。ぼくは大学で経済学を専攻しましたが、日本の経済についても調べ、やはり日本人として誇りに思う部分がありました。実は当時、母親と一緒にシンガポールで会社を立ち上げていたのですが、「一度は日本の大手の企業で働きたい」と思って、東京スター銀行に就職します。
起業は入社前から考えていました。FPとして資産運用のコンサルティングを行ない、経験を積んで、アメリカのFPのように、個人の資産運用のプロフェッショナルとしてサービスを提供したい。いずれ日本にもそういう環境が整うと思いますが、そうなってからでは遅い。タイミングを考えているときにリーマンショックが起こり、会社の業績が落ちていくなかで、「これがきっかけなのかもしれない」と決心します。それが2010年の夏で、創業は2011年の1月です。
プロフィール
- お名前田中 佑輝
- お名前(ふりがな)たなか ゆうき
- 出身シンガポール
- 身長172cm
- 体重62kg
- 平均睡眠時間6時間
- 趣味ゴルフ
- 家族妻・子一人
- 今までに訪れた国14ヵ国
- 座右の銘人生は一度きり、悔いなき人生を
- 尊敬する人池上 彰
- 尊敬する経営者稲盛 和夫
- 好きな食べ物チキンカレー
- 嫌いな食べ物おでん
- 好きな言葉経済・経営
- 休日の過ごし方ゴルフ・子供
- 今日の財布の中身82,141円