株式会社ビューティ岡本 代表取締役 岡本 悦美
世界と勝負できる本物の美容技術を日本の若者に託したい
ファッション・美容業界で世界的な名声を誇った希代のヘアドレッサー、ヴィダル・サスーン。「ハサミ一つで世界のファッションを変えた男」と言われた伝説的なカリスマに魅せられ、渡米しその技術を受け継いだ日本人ヘアデザイナーが岡本氏だ。既存の美容界に敢然と挑戦し、常に変化を求めて新たな美容をクリエイトする姿勢はかつてのサスーンの姿と重なる。今回、岡本代表の店舗に取材にうかがって、気になることがあった。そこには、サロンに必ずあるようなヘアカタログや美容雑誌が1冊も置いていないのだ。不思議に思って、理由をたずねるところから取材は始まった。
― どうして店内にヘアカタログを置いていないのですか。
それは当たり前でしょう。その人に似合うスタイルは決して雑誌の中にはなく、自分自身がもつ、世界でたった一つの形しかないからです。人の真似では自分の良さは引き出せません。私たちは開店以来ずっと、「世界中でたった一人のあなた」を創り出すことをテーマに、お客様自身が本来もっている美しさを追求し、表現していくことを一番の目的にしてきました。
お客様のカウンセリングをじっくりと行い、生き方や考え方を加味しながらデザインを考えていきます。その人だからこそ似合う、一番美しく映える居心地の良い髪を作ってあげることを何よりも大事にする。それを妥協なく追求していくことを信念に、これまで多くのお客様の信頼を獲得してきたんですよ。
― その想いはどうやって培われることになったのですか。
私が26歳のとき、当時世界最高の美容師とうたわれていたヴィダル・サスーンが来日したことがきっかけでした。それまで江戸結いの日本髪を中心に学んでいた私は、彼の公演が見たくて仕方がなく、4万8,000円という高額チケットを、給料を前借りして購入して上京したのです。
サスーンのカットを見て、それはもう大きな衝撃を受けました。そこには建築でいう骨格、柱、緻密で美しく設計された構造体があり、その上にデザインが施された重厚なもの。それまで見たことのない本物の技術を感じさせるカットの技法でした。
また彼は言いました。ヘアスタイルは「あなたの個性を表現すること。それはあなたの魅力を表すものであり、人の真似からそのスタイルは生まれない」と。サスーンのその言葉に、心を大きく動かされましたね。
― そこからサスーンに師事するようになったのですね。
もう居ても立ってもいられず、彼のカットを学ぶためにロサンゼルスに渡りました。そして生来の負けん気が芽生え「やるなら日本一」と強く思うようになったのです。
ヴィダル・サスーンはその後、世界のファッション市場を次々に制覇していき、ついに日本で「VIDAL SASOON杯」コンテストを開催することを発表したのです。
私はなんとしても優勝したいと思って、懸命に練習を重ねました。しかし、1977年の第1回大会は6位という結果。その時は本当に悔しくて、新宿の街を恥も外聞もなく泣きながら歩いたものです。
次は絶対に優勝してやると心に決めて奮起し、1978年の第2回、ついに優勝を果たすことができたんです。それをステップに美容師として経験と実力をつけていき、やがて人真似ではない、お客様自身の個性を活かしたスタイルを表現できる店を作りたいと思うようになりました。そして、悦(よし)ヘアサロンとして独立開業を果たし、1982年に株式会社ビューティ岡本を設立したのです。
プロフィール
- お名前岡本 悦美
- お名前(ふりがな)おかもと よしみ
- 出身静岡県
- 血液型A型
- 平均睡眠時間7時間
- 趣味日本文化
- 今までに訪れた国18ヵ国
- 座右の銘富は一生の宝 得は万代の宝
- 尊敬する人Vidal Sassoon
- 尊敬する経営者吉田茂(指導者か・・・)
- 尊敬する歴史上の人物千利休
- 好きな映画Roots
- 思い出に残るプレゼント一生付き合えるモンゴルショール
- いま欲しいプレゼント象さん
- もし生まれ変わったら?この人生の続きを生きて行きたい
- 過去に戻れるならいつ?戻る必要はない
- 好きなお花野の花
- 飼ってるペット老犬1匹 猫4匹