― 健康を軸にした人財育成というコンセプトが生まれた背景を教えてください。
それは、私自身の経験によるところが大きいのです。20代にメガバンクで営業業務を担当していたときに、連日の接待や無理な営業による不摂生がたたり、60キロだった体重が90キロにまで増えました。
BMI30という不健康極まりない状態で、体調がつねに悪く仕事の能率もあがらない毎日。そこで一念発起して食事制限を徹底し、3ヵ月で30キロの減量を図り、ジム通いで筋肉をつけながら身体のバランスを整えていきました。すると見違えるように身体の調子が良くなり、仕事のパフォーマンスにも好影響があることを実感するようになったのです。
現在私は早稲田大学大学院のスポーツ科学研究科に在籍し、健康とビジネスパフォーマンスの関連についての科学的な研究をさらに進めているところです。
― 現代のビジネスマンの健康を取り巻く環境を踏まえ、経営者へのメッセージをお願いします。
いま日本全国でスポーツや健康に対する意識は間違いなくあがっています。社員の健康に対する取り組みを強化する企業は確実に増えています。
ただし、企業経営において健康は手段に過ぎず、健康になることが目的ではありません。最終的には、生産性の高い人財を育成するために、メンタルや体、脳の健康を高めていくことを人事や総務部、そして経営者は考えていかなくてはいけないのです。
ビジネスの質や成果の向上、具体的にROAやROEをあげていくような明確な目標をもち、それを達成するための仕組みづくりに当社のプログラムを役立てていただきたいですね。
― 今後のビジョンを教えてください。
なによりも日本の国力であり、経済力を高めることが私たちの最終的なビジョンです。経済力を高める力となるのは、ビジネスパーソン1人ひとりのパフォーマンスの向上であり、それは心身の健康に大きく起因しています。
その点で、これまで経済力が高かった日本はいま、世界に類を見ない超少子高齢化の波の中にあります。これからの社会ではなおさら、健康への意識を高くもつことでビジネスパフォーマンスをあげられる人たちを増やすことが必要なのです。そのための取り組みにいっそう力を入れていきます。
健康およびビジネスの両面がわかる人財、つまりトレーナーの育成を含め、あらゆる企業の成長を後押しできる存在として、ノウハウの普及に努めていきたいですね。
■ 阿部 雅行 (あべ まさゆき)
東京新宿生まれ。明治大学経営学部卒業、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科博士課程(満期退学)。富士銀行入行、みずほホールディングス、みずほコーポレート銀行で営業・マーケティングや経営戦略立案、サービスマネジメントなどの実務ノウハウを蓄積。その後、株式会社グロービス等ベンチャー企業で論理思考やコンテンツ開発、トレーナー育成に従事する。現在は年間200回の企業研修に登壇する講師として、年間5,000人のビジネスパーソンに向けてビジネス&健康のスキルアップをアセスメントを通じてサポートする。講師としての活動のかたわら、早稲田大学スポーツ科学研究所招聘研究員として企業の健康人財育成・健康経営の実践研究に取り組む。アイアンマン、サハラマラソンなど極地レース参加経験多数。社団法人日本スポーツ&ボディマイスター協会 理事長、著書『ビジネスマンのカラダ再生プログラム』(幻冬舎)
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プロフィール
- お名前阿部 雅行
- お名前(ふりがな)あべ まさゆき
- 出身東京都