― ユーザーにとって、O-PLUXが特に優れている点を教えてください。
精度の高さとリアルタイム性を両立させ、かつ低価格で利用できる点になります。
まず、精度の高さですが、先で述べたような「名寄せ」「共有の不正情報DB」「統計アルゴリズム」等の機能に加え、端末情報を使った技術があります。これは、過去の不正取引の端末を特定したり、その特性を使ったルールを構築しております。更に新しい手口への対応を次々とシステムに落とし込んで更新することを繰り返しており、新しいルールや仕組みとして提供しながら網の目を細かくしていきます。利用いただければいただくほど精度が向上していきます。当社でも全体的に監視を行っております。今後はその頻度を上げていき利用企業へ迅速な情報提供を行う予定でおります。
さらに、これら複雑な処理を行いつつもリアルタイムで結果をお返しすることが強みとなります。入ってきたデータに対して数秒で審査が完了する仕組みですので、EC取引において非常に親和性があります。今後はこの処理速度を更に高速化する予定でおります。
またコスト面においては、これまで不正対策のシステムを自社開発して備えるEC事業者・決済事業者もありましたが、言うまでもなく仕組みを構築するには多額の費用がかかります。当社はO-PLUX をASPで提供することによって、事業者が低コストで導入できるようにしました。
― 御社の事業から、どのようにO-PLUXの仕組みが作られたのですか?
創業期は不正対策のコンサルティングを事業として行っておりました。通販事業を始め様々な分野で、不正取引に悩まされるお客様にリスク回避のノウハウを提供していました。ただその場合、クライアントは自社で不正検知のシステムを作り上げることになり多額のコストをかけていました。結果的に私たちが時間とコストを各々のお客様に強いることになってしまっていたのです。
そこで、異なる事業分野でも不正が起こる枠組みはあまり変わらないことが分かり、これであれば汎用的な仕組みが作れるだろうと考えたのです。当社が不正検知の仕組みを作って各事業者に提供することができれば、大きなコストが掛けられない通販業界にも貢献できるのではないかと考えたのがきっかけです。
もちろん当社のエンジニアが持つ高い技術力も実現した大きな要因の1つであることは間違いありません。
私たちは、システム開発は単なる業務ではなく、常にビジネスを意識して事業化に結び付ける発想を重視しています。エンジニアが常にビジネスにつなげる高い意識をもちながら仕事をしてくれたことも、O-PLUXを生み出した要因になったと考えています。
― 不正検知のノウハウはどうやって蓄積していったのですか。
サービスを仕組み化するには、知識と、それを整理し体系的に理解してなければなりません。
もともと私は、専門商社で取引先の代金未回収の対策を構築した経験や、決済業務を主とする会社での経験があり、不正検知の対策を意識する環境で仕事をしてきました。更に創業直後に行っていた不正対策のコンサルテイングの経験もあり、結果的には自分の中で不正対策に関して体系化することができたと思っています。
プロフィール
- お名前岩井 裕之
- お名前(ふりがな)いわい ひろゆき
- 出身東京都