― 御社では、なぜ建築設計という専門分野以外の領域まで手がけることになったのですか。

　歯科医院に特化した建築設計を行おうと考えた当初、私は歯科医師に対し、「カッコいい」デザインの医院設計を提案しようと考えていました。しかし、ある日、これで本当に患者を獲得できるのだろうかと疑問を抱くようになりました。「カッコいい」という価値観は人それぞれ。また、「カッコいい」だけで、患者を獲得できる医院になるとは考えにくいと思ったのです。

　そこで、歯科医師と患者になりうる一般の人たちそれぞれに対してアンケート調査やインタビューを実施し、歯科医院に合わせたマーケティング方法を構築。その結果を基に歯科医師の「想い」に根差す医院をつくるためには医院設計だけでなくロゴマークやHP・チラシ制作などワンストップサービスとして提供する必要性が出て来たと言うことです。

　ワンストップサービスにより歯科医師の「想い」が同じコンセプトで医院全体に反映できる。また、さまざまな制作作業を同時進行できるため、それぞれを個別の会社に依頼するのに比べ、効率的に歯科医院を開業することができると考えたのです。

― 今後のビジョンを教えてください。

　治療や患者の歯の健康維持に取り組むことに情熱を持つ歯科医師の役に立つ歯科医院のデザインを提供していきたいと考えています。そして歯科業界の発展のために必要とされる会社になりたいですね。そうすることで、日本人の口腔内の意識を欧米並みに向上させることにつなげていきたいと思います。