― 独特の人財観にいきついた経緯を教えてください。

　自分自身、全く畑違いの業種から来て、何もわからないところからスタートしたという点で、未経験で入った人たちの気持ちがわかるからかもしれません。

　私は17歳でプロの格闘家になったのですが、23歳で頸椎の骨を折ってやむなく現役を引退。その後、格闘家時代から働いていたスポーツクラブでインストラクターをしていました。そして、24歳のとき、前職のシステム開発会社の社長と出会い、「うちに来ないか？」と誘われて、営業としてスタートしました。

　そんな風に、私自身全く異なる世界から来ましたから、IT業界の常識に固執するところがないです。

　だからこそ、エンジニアのみんなには、技術的なスキルはもちろんですが、人としての成長もどんどんうながしてあげたい。人生をトータルで見て、人間として長く成長していけるような素養や実力を身につけてほしい。そう考えて、会社作りをしているんです。

― 求める人物像を教えてください。

　とにかく、素直で学ぶ気持ちがある人ですね。研修や教育体制が整ってきているので、その気持ちさえあれば、未経験でも誰でも挑戦できるのが当社です。

　「文系だからムリでは？」なんて思っている人も、ITへの興味さえあれば全く問題ありません。だから私は採用のときに、履歴書の左側の学歴などの欄はほとんど見ないんですよ。それよりも、「相手の目をちゃんと見て話せるか」「きちんと挨拶ができるかどうか」「『頑張りたい』という意欲があるかどうか」など、人間性だけを見ています。

　そんな風に採用基準を「人間性」にしているから、社員同士で仲良くなってお互いの家に遊びに行ったり、一緒に旅行に行くなど、社内コミュニケーションの活発さも当社の売りのひとつですね。

― 今後、新たな仲間となる若手へのメッセージをお願いします。

とにかく「一緒に成長していきたいし、一緒に仕事や会社を楽しみませんか？」ということにつきます。

　私は「企業はカレーづくり」と言っています。色々なスパイスを入れないとカレーはおいしくない。そして、ときに化学反応を起こしてとんでもなくウマいカレーになったりします。社員も同様に、違う魅力がうまく融合すると大きなチカラを発揮するんですよ。

　だからこそ、社員一人ひとりに、エンジニアとしてお客様に信頼されるためのITスキルはもちろん、人としても可愛がられるような人間力を教えていきたいと思います。

　実は、ずっと先の目標として私が考えているのが、当社の社員が結婚して子どもが生まれて、その子が大きくなって就活するときに、「お父さん・お母さんの会社に入りたい」と言ってくれることなんですよ。それを聞いたら私は引退（笑）。それが、私にとっての会社作りの理想像ですね。