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株式会社富士薬品 代表取締役社長 高柳 昌幸

「いつも近くに薬がある」暮らしを創造し、健康と安心を届けたい

1930年に「富山の置き薬」で事業をスタートした富士薬品。家庭向け配置薬の分野で確固たる基盤を築いた後、市場ニーズに応えて医薬品製造事業にも進出。その後、ドラッグストアに業容を広げるなど「複合型医薬品企業」として独自のビジネスモデルを築いてきた。それまでの医薬品業界の常識に風穴を開け、多彩な事業展開で成長を遂げてきた原動力はなにか。同社代表への就任以来、新薬開発など新たな価値の創造に乗り出している高柳氏に、事業への想いなどを聞いた。

― 事業内容を教えてください。

 配置薬販売事業とドラッグストア事業を展開しており、2wayの販売チャネルをもっています。あわせて医薬品製造事業を手がけ、医療用医薬品の研究開発も行う、薬の製販一貫体制を確立しています。「複合型医薬品企業」として独自性の高いビジネスモデルをもち、医薬品を通じて社会に健康と安心をお届けすることを事業にしています。
 
 現在、売上の主力は「セイムス」ブランドをはじめとしたドラッグストアと調剤薬局の事業です。でも、当社のルーツは、1930年に富山で始めた配置薬のサービスなのです。

― いわゆる「富山の置き薬」ですね。配置薬のサービスはどのようなものですか。

 お客さまにさまざまな種類の薬が入った救急箱を預け、その後、定期的に訪問して、ご利用いただいた分だけ代金をいただく「先用後利(せんようこうり)」を基本とした販売方法です。

 約2,000名の当社の営業スタッフが、全国320万軒のお客さまを担当しています。8割超の営業スタッフは医薬品の登録販売者であり、薬についての相談を受けたり、情報の提供を行うことができます。継続的なコミュニケーションのなかで、お客さまの家族構成や健康状態に適した薬をご提案し、身近なメディカルアドバイザーとして、健康と安心をお届けすることを大事にしていますね。

― 配置薬はユーザーにとってどのようなメリットがありますか。

 ご家庭や会社で、すぐに使ってもらえる利便性が一番でしょう。また薬というのは「使い慣れ」の要素が強い商品カテゴリーです。おなかが痛いときや風邪をひいたとき、使い慣れた薬があり、それを服用することで安心感を得られる。「使い慣れた薬を常備しておける」ことも大事なメリットですね。

 そうした置き薬のメリットをご理解いただき、最近では法人の需要が大きく伸びているんです。社内の福利厚生のアウトソーシングという意味あいで救急箱をお使いいただくニーズが増えており、企業への置き薬の設置が広がっています。社員の方が買いに行く手間がなくなりますし、薬の期限管理ができて、費用精算などの事務処理面でも利便性が高いのです。いまでは、全国に支店がある会社などにも当社の薬を置いてもらっています。社員の働く環境をより良くする意味でも、配置薬事業はお役に立てると思います。

― 伝統的なビジネスが現代の最新のニーズにあわせて成長を遂げているわけですね。では、ドラッグストア事業の詳細を教えてください。

 富山に自社工場を建設した後、自社製造の薬の販売網を増やすことを主な目的に、1992年から直営のドラッグストア「セイムス」を展開しました。グループ化を進め、全国に約1,300店舗を出店しています。もともと配置薬の富士薬品としての知名度や、「自社製造の医薬品をもつ」という信頼性がありましたから、ドラッグストア事業もスタートしやすかったという面があります。スタッフの採用のしやすさにもつながるなど、スタート時から他のドラッグストアとは違う優位点があったように思いますね。

 この「セイムス」のスタートによって、独自のビジネスモデルである、配置薬とドラッグストアの「2wayチャネル」を確立することができたわけです。

著名経営者

  • GMOインターネット株式会社

    熊谷 正寿
  • 楽天株式会社

    三木谷 浩史
  • テンプスタッフ株式会社

    篠原 欣子
  • 伊那食品工業株式会社

    塚越 寛
  • GMOインターネット株式会社

    熊谷 正寿
  • シダックス株式会社

    志太 勤

プロフィール

  • お名前高柳 昌幸
  • お名前(ふりがな)たかやなぎ まさゆき