株式会社グローセンパートナー 代表取締役 島森 俊央
組織変革のプロフェッショナル
2008年、グローセンパートナー(以下、GP)は、ある上場企業の組織変革プロジェクトに挑んだ。その上場企業は創業36年を超える老舗商社。同社は設立以来、順風満帆に成長を続け、社員数は250名、年商は200億円に上る。しかし近年、その成長に陰りが見え始め、創業41年目にして初の赤字に転落していた。GPの役割は、その会社の業績低迷の原因を突き止め、かつての輝きを再び取り戻させること。今回は、GP代表の島森氏が手がけた組織変革プロジェクトを追った。
※下記は経営者通信2号(2009年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。 なお、この記事はインタビュー形式ではなく、取材レポート形式です。
■1ヶ月目■「インタビューを通じてシンプルな戦略ストーリーを描き、社員のやる気に火を付ける」
島森氏は赤字の原因を探るため、まず経営幹部から現場社員まで約30名へのインタビューを実施した。
しかし、古手の経営幹部はインタビューへの協力に消極的だった。「まだ今期の業績は見ていないけど、たぶん赤字だと思う」、「赤字なのは仕方がない」。経営幹部たちの口は重く、答えも明瞭さに欠けていた。
一方、若手の現場社員はインタビューへの協力に積極的だった。それまで現場社員の提案は経営幹部に握りつぶされ、社長にまで届くことはなかった。しかし、現場社員は「島森氏ならば自分たちの声を社長に届け、会社を変えてくれる」と期待感を持った。彼らからは「トップの方針が現場にまで伝わってきません」、「上司に意思決定を促しても返答がありません」などの声が挙がった。
ちなみに、島森氏の経験上、会社に7%~8%ぐらいは想いをくすぶらせている社員がいる。「よくぞ、この会社に残ってくれていた」。インタビュー時に思わず声を上げてしまうぐらいだ。この会社にも、やはりいた。島森氏はその社員の話に身を乗り出して聞き入った。「原材料費が高騰しているのですが、そもそも製品原価が社内で共有されていません。それに対して誰も手を打っていないのが問題です」。
このインタビューの結果、島森氏は業績低迷を引き起こした直接的な原因を特定した。それは「粗利管理の不徹底」。主力製品はいったん販売価格を決めると、2~3年間は同じ価格で取引を継続するため、製品原価の設定が難しかった。当時は原材料の原価高騰により、主力製品の製品原価が販売価格を上回っていたのだ。そこで、島森氏は「製品原価を設定し、早急に商品の値上げに着手する」というシンプルな戦略ストーリーを描いた。
ただ、島森氏は真の問題は他にあると考えた。それは、かつて会社の成長を牽引した古手の経営幹部たちが、この緊急事態に何も手を打てない点だ。経営幹部が適切でなければ、トップの戦略は現場社員に伝わらなくなる。そうすると、現場社員のモチベーションが下がり、業績は自然に低迷していく。この負の連鎖を断ち切ること。島森氏はここが変革の本丸であると考えた。
<GPの変革メモ>
・GPの組織変革のスタンスは3つある。
①社員が気持ち良く働ける環境を整備すれば、生産性は高まる
②社員は会社・お客様のために働く気持ちを、そもそも持っている
③若い社員たちほど、変革の意志を強く持っている。
・現場社員は変革の“正しい解”を持っている。GPは現場社員の声をもとに、シンプルな戦略ストーリーを描き、現場社員のやる気にも火を付ける。
プロフィール
- お名前島森 俊央
- お名前(ふりがな)しまもり としひさ
- 出身静岡県
- 血液型B型
- 平均睡眠時間7時間
- 平均起床時間5時
- 趣味テニスを週一回やっています
- おススメ本「最高のリーダー・マネジャーが 考えているたった一つのこと」
- 購読雑誌「致知」
- 家族妻・娘
- 尊敬する歴史上の人物諸葛 孔明
- 好きな食べ物お寿司 (死ぬ前にも食べたい)
- 好きなスポーツラグビー・テニス
- 好きなミュージシャンビリー・ジョエル
- もし生まれ変わったら?戦国時代を生きてみたい
- 過去に戻れるならいつ?もう過去には戻りたくない
- 休日の過ごし方娘と遊ぶ
- オススメの飲食店白沁(仙台にあるお寿司屋さん)
- 自分だけの隠れ家家の近くのジョナサン
- 好きなお酒の銘柄グレンモーレンジ10年
- 好きな漢字一文字成
- 飼ってるペットかえる