― ところで出口さんの起業の経緯を聞かせてもらえますか。

　私は卒業後、システム開発会社に就職しました。その会社ではエンジニアとして働きながら、他にも営業や新規サービスの企画など様々な仕事を経験させてもらいました。その後、システム部の部長や子会社の役員などを経て、2006年に大手Eコマースサイトの運営会社に取締役として転職したんです。そこでは新規事業を手がけられるように組織を再編し、グループ会社の4つのEコマースサイトの構築などを行いました。

　そして2007年のクリスマスの日、ソリューション部門のメンバー27名と共に分社・独立し、当社を設立したわけです。独立した理由は、私たちが蓄積してきたＥコマースのノウハウを世の中に広めたいと思ったから。前職の経営陣にも理解して頂き、円満な形で独立することができました。

― 前職のメンバーが27名も新会社の設立に参画するとはスゴイですね。出口さんに人望があるからじゃないですか。

　いえいえ（笑）。でも社員のマネジメントには常に気を遣っています。たとえば、どんな問題が起こっても社員を頭ごなしには怒りません。なぜその問題が起こったのか、まず社員の頭で考えてもらい、次に一緒に解決していきます。

　私自身が長く現場社員として働いていたので、社員の気持ちがよく理解できるんです。大切なのは社員としっかりコミュニケーションをとり、相互理解を深めること。そうすれば、社員は自然と付いてきてくれます。