― どのようなアプローチを行ったのですか。
当時多くのマーケターが実施していたのは、有名ホテルの宿泊プランを特別プライスで提供するような低価格戦略でした。私はそれとは一線を画し、たとえば「新婚旅行で行ったあの場所にもう一度二人で出かけませんか?」「そこでしか撮れない子どもの写真を撮りに行きませんか?」といった、旅行自体に幸せを感じてもらえるアプローチを重視していったのです。
幸せの提供を「Happyの創造」と位置付け、それを軸にした企画を打ち出していったことで、次第に成果が表れていきました。「人は幸せによって動く」というコンセプトは、マーケターとしての自分にとって、とても重要な位置を占めるものになったのです。
そして、他の分野や業界でも「人は幸せによって動く」ことが実証できれば、マーケティングの根幹として位置付けられる。それを確かめたいと思い、起業を決めました。
同時に考えたのは、「Happyの創造」を実現するには、マーケティングはもちろん、あらゆることに対してユーザー目線を持つが不可欠で、作り手の都合やエゴのみが優先してはならないということです。その思いは、後の受託開発事業やコンテンツ事業における大切な理念として今に息づいています。
― その思いは後の自社コンテンツの開発にどうつながったのですか。
2012年12月にスタートしたスマートフォンアプリの「アイテル」は、空いているお店をリアルタイムで探すことのできるナビゲーションアプリです。アイテルが生まれたのは、ある金曜夜の池袋で、終電に乗れなかったことが発端でした。
始発電車を待つためにネットカフェを探して歩いたものの、どこも満席の返事です。でも、きっと池袋のどこかに空いているネットカフェはあるはずで、そこがすぐに見つかれば、途中で寄り道する無駄など生じません。店側はすぐに客を獲得でき、客のほうも歩き疲れる必要がなく、双方ともにHappyが実現するわけです。
それを可能にするアプリを作ろうと思ったのが最初でした。ネットカフェに限らず、カラオケボックスやバーなどもその場で空き状況を知りたいお店です。こうした店舗の空き状況をリアルタイムで知ることのできる無料のスマートフォンアプリがアイテルなのです。
おかげさまでユーザーダウンロードは15万件(2014年6月現在)を超え、店舗にも空き情報の掲載を無料で行っていますので、登録はどんどん伸びています。
プロフィール
- お名前田島 秀賢
- お名前(ふりがな)たじま ひでのり
- 血液型AB型
- 今までに訪れた国6ヵ国
- 尊敬する経営者大坂 靖彦
- 尊敬する歴史上の人物坂本 竜馬
- 好きな作家太宰 治
- 好きな映画「スタートレック」
- 好きな女優田中 麗奈
- 好きなミュージシャンBump of chicken
- 好きな歌(曲)「糸」、中島みゆき
- 好きな漢字一文字志