― 御社のサービスを提供する上での独自の仕組みを教えてください。
当社には、歯科衛生士を中心に医師や看護師など国家資格をもつプロフェッショナルの登録スタッフが220人以上おり、企業のマーケティング戦略やプロモーションの立案、医療機関の人材育成に携わっています。
登録スタッフそれぞれに国家資格者の繋がりがあり、各々に対してアンケートやリサーチを行うことで膨大なデータベースが作成できます。その結果を企業や医療機関などにマーケティングデータとして提供するビジネスを行っているのです。
たとえば医療機器メーカーによる医療関連商品の開発の際には、看護師や歯科衛生士などの専門家にリサーチをかけてデータを集め、開発に役立てていきます。また医科・歯科分野において、学術面で海外と様々なネットワークを有していますから、現地の最新情報をいち早く入手することができます。
こうしたリソースをベースにマーケティングを実施するコンサルティング会社は他に例がなく、当社独自のビジネスモデルということができます。
― そのビジネスモデルはどのように出来上がったのですか。
歯科衛生士の先輩たちが結婚や出産で現場を離れ、そのあと復職や転職に苦労する姿を見てきて、そうした人たちを活用できる組織の必要性を感じました。そして94年に同じ資格をもつ仲間3人と「エムズコレクション デンタルネットワーク」の活動を始めたのです。
当時、医師は臨床で使う学びについては熱心ですが、逆にビジネス情報や経営の工夫に関心を示さない人が多くいました。一方医療機器に携わる国内企業は、世界で評価されるモノ作りの高い技術をもっていながらも、医療関係の専門知識や現場の声などの情報収集が不十分なために、ビジネスチャンスがあってもなかなか手が出せなかったんです。
この両者の間を当社のネットワークを活かしたマーケティング情報で埋めていくことで、独自のビジネスモデルが出来上がっていったわけです。
― どのような点に留意してビジネスを拡大していきましたか。
当社がまず行ったのは、「生活者」「患者」に焦点を絞ってマーケティングの結果に目を向けることでした。その上で創り出す企画や活動の元になった考え方は、「前例のないことを創造するユニークな視点を大事にする」「一般論に惑わされず、結果が全ての新しい活動を創造する」というものです。
たとえば、ある企業で当社が歯科相談を実施した際に、電動歯ブラシの使い方が悪いために歯肉の減っている人が多いことに気付き、正しい使い方のマニュアルをボランティアのつもりで作成したところ、大手メーカーの担当者の目に留まって電動歯ブラシの取扱説明書の作成をサポートする仕事を受注した例もありました。
知っていることを必要に応じて適切に使う創意工夫が大切であり、その具体的な方法をノウハウとして備えていることが当社の成長してきた理由だと思います。
プロフィール
- お名前濵田 真理子
- お名前(ふりがな)はまだまりこ
- 趣味温泉・ドライブ・旅行・華道
- おススメ本坂之上の雲
- 家族夫・男の子2人
- 座右の銘人間万事塞翁が馬
- 尊敬する人両親
- 尊敬する経営者チームラボ 猪子寿之
- 尊敬する歴史上の人物中村天風・杉原千畝
- 好きな言葉こころ広く広くもっと広く