― なぜ御協会ではそのようなことが可能なのでしょうか。

睡眠は日中の活動すべての土台ですから、睡眠だけを取り出して教育することは、全くの片手落ちです。ですから、今まで様々な分野との繋がりを心がけてきたことが私の強みとなっています。

医師や研究者はもとより、食育・運動・施術師・薬剤師・カウンセリングなどの健康の専門家、音楽・アート・芸能などの分野の人々に睡眠という観点からアドバイスやお手伝いを頂いています。また、寝具や睡眠関連商品を扱う企業、出版・メデイア・イベント企画の方々との繋がりもあります。そして、睡眠は人生の一部ですから、ファイナンシャルプランナーなど、様々な分野の専門家の方々にもご協力いただいています。皆様、当協会の意義と社会に果たす役割をご理解頂いた方々です。

― 橋爪代表はどうして睡眠に興味をもつようになったのですか。

実は、私自身が４０年間も睡眠リズム障害に悩まされていたからです。原因は、今思えば、夜更かしの家庭に育ったことと、中学時代から漫画家を目指し、午前を回るまでペンを動かしていたこと。経歴欄にあるように４０代に障害が悪化し、医師の世話になったのですが、当時は睡眠医学が確立されておらず、私の症状が睡眠に起因するという診断は出ませんでした。当然、その後も睡眠改善はされず、さすがにこんな人生では大変だと思った時、偶然、睡眠学の本を発見。睡眠を学び始め、「睡眠とはこんなにすごいものなのか！」と知った時の驚きは大きく、それがきっかけとなりました。

― 日本眠育普及協会を立ち上げたきっかけを教えてください。

睡眠改善インストラクターの資格を取り、友人を頼りにセミナーの講師やイベント開催などの活動を行ううち、応援者や人脈も増えました。しかし、取り組むほどに、いかに人々が睡眠に無関心であるか、教育現場はもとより、医療現場でさえ無知が蔓延っていることを知り、愕然としました。もっと活動範囲を広げなくてはという思いに駆られていた時、おりしも睡眠医学が一般にも広まり始めました。そこで、日本眠育普及協会を立ち上げたわけです。

― 今後のビジョンを教えてください。

「一億人の快眠をめざして」これが協会のスローガンです。大袈裟に聞こえるかもしれませんが、眠育はすべての国民に必要だからです。そのためには、冒頭で述べた協会活動の２つの柱をあらゆる年齢層・職種の人々に向け進めたいです。さらに、眠りを楽しむ文化活動には、スポンサーの協力を求めていく予定です。

最後に、私はいつもこう願っています。「すべての人が眠りの大切さに気づき、眠りを楽しめる世の中になりますように！」と。