― 個人の価値観を導いて終わるのではなく、それを組織戦略にまで発展させることが可能なのですね。

　組織は個の集合体ですから、まず個人が輝くことが企業成長の第一歩です。目の前の仕事がどんな形で自分のミッション実現に役立つのかがわかると、仕事は俄然エキサイティングなものに変容を遂げます。会社や社会にどう貢献していくのかという自分の「あり方」や「立ち位置」も見え、社員は幸せに働くことが可能になります。こうなった時、会社は大きな推進力を得られると考えます。

　ですので、その場限りの研修で終わるのではなく、一旦価値観が見えたら、それを企業側に立って人材育成や配置戦略、評価などに積極的、継続的に取り入れる、そのための人材育成パートナーとして継続的にお手伝いさせていただくのが理想ですね。知識やスキル研修も、「自分の価値観にその研修がどう生きるか」というマインドセットを確立した上で実施すると、効果を加速度的に高めることができます。長期的に関わることでシステマティックで効率的な人材育成計画を立てることが可能になります。

― 最後に、御社の今後のビジョンをお聞かせください。

法人向けのサービスを広げ、起業時の「幸せに働く人を増やすことで社会に貢献したい」という思いを形にしていきたいというのが一つ。また前述したように、価値観の導出に深堀りのスキルが必要となるため、専門の教育を受けたファシリテーターを数多く育成したい。これが二つ目。三つめは、「遊ぶように仕事をすること」が当たり前になる社会風土作りに関わること。スティーブ・ジョブズを始め、飛躍的な企業のリーダーは遊びと仕事の境目を持っていません。楽しいと発想が自由になり、イノベーションも生まれやすくなります。そんな思いに共感していただけるクライアント様と一緒に日本に新しい企業文化を作って行きたいと考えています。