― どのようなお客様だったのですか。
そのお客様とは私が営業3年目の時に出会いました。50代の男性で余命何ヶ月かという難病に見舞われたお客様でした。当時は官舎に住んでおられたのですが、奥様や娘さんが「お父さんが生きているうちに戸建てに住まわせてあげたい」と言われ、自宅の購入を検討されていたのです。
もうじき亡くなるお父さんのために、家族が一生懸命に住みたい家について考え、その思いを私に伝えてくれました。その時間は僕に、家は住むためだけのものではなく、そこで暮らす家族のつながりや命そのものを繋ぐものだと気付かせてくれました。
私がご家族と一緒に考えて選んだ物件を紹介すると、お父さまは喜んでOKしてくださり、新しい家に引っ越して2カ月後、お亡くなりになりました。
単なる仲介業だった僕にとってはかなり重い経験でした。ただそのときの経験が、今の私の家づくりの根底に流れているんだと思います。
― やがて住宅事業で起業するという選択につながっていったのですね。
仲介業だけの時は気づかなかったですが、設計・施工と全ての業種に関わらせてもらった時に、これは自分がいたテレビ業界の仕組みに共通する部分があると思いました。でもその半面、まったく違うとも感じたのです。
テレビでも一つの番組を創るときには、家づくりと同様に多くの専門職の人が分業で役割を担います。でも何かが違う。それは、テレビでは各スタッフが「横一線」に並んで作品を創ろうとするのに対して、家づくりでは「縦一線」に並んでしまい、お客様の姿が現場からは見えなくなっているんです。
だからこそ、縦から横の並びに変えて、お客様に全体を見てもらえるようにしたかった。その為にはテレビ業界でいうプロデューサーの存在が必要と考えたのです。そう、この業界にはプロデューサーに位置する職種がないんです。そうして2010年に創喜を起業しました。
― 今後のビジョンを教えてください。
これからも、お客様が安心できる理想の家づくり、満足いただける暮らしづくりを担っていきたいと思います。
そしてもう一つ、私自身が考えているのが少子高齢化の問題です。今この国が抱えるこの重要課題は核家族化という現代の暮らしのスタイルと密接に繋がっていると考えています。
高度成長時代に核家族化が進んだのは、3DKや3LDKという住宅のスタイルが新たに生まれたことで、暮らしのカタチが変わったことが要因にあります。
だとすれば暮らしのカタチの創り方が、この問題の解決策にも繋がるのではないかと考えています。
たとえば三世代住宅の推進や、介護と住宅の融合など、ユニバーサルな視点で家族みんなが一緒に安心して過ごしていける暮らしのカタチをこれからもいっそう突き詰めていきたいと思っています。
■ 山田 昇平 (やまだ しょうへい)
1967年、京都府生まれ。脚本家を目指して高校卒業後に上京。音声技術のプロダクションに入り、テレビ局の音声スタッフとして活躍後、夫人の出産を機に不動産仲介会社に転職、営業職としてトップの成績を収め続ける。14年間の不動産業界勤務を経て退社し、設計・施工業界へ。2010年に設計会社である株式会社創喜を設立して代表取締役に就任。施工会社とタッグを組み、「おいしいおうち」ブランドを確立。家づくりの総合プロデューサーとしてファイナンスから設計、施工までをトータルに手掛けている。
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プロフィール
- お名前山田 昇平
- お名前(ふりがな)やまだ しょうへい
- 出身京都府
- 身長172.5cm
- 体重72kg
- 血液型AB型
- 平均睡眠時間6時間
- 平均起床時間 6時30分
- 趣味音楽
- おススメ本いちばん大事なこと
- 家族奥さんと娘3人
- 尊敬する経営者松下幸之助
- 尊敬する歴史上の人物坂本龍馬
- 好きな食べ物なんでも好き
- 嫌いな食べ物 嫌いなものなし
- 好きな言葉ありがとう
- 好きな作家山田太一
- 飼ってるペット犬