― アウトドアと原体験はどのように結びつくのですか。
本物のアウトドアを実践する場では、言い訳も逃げ道もありません。私たちは塾の中で、子どもたちの行動にほとんど「禁止」の概念を作りません。つまり子どもたちは常に自分で責任を持ちながら行動することが求められます。無論最初は、小さな子どもたちにとって理解することは難しいかも知れませんが、時を重ね「禁止」されないということは、「自由」だけれど「危険」もあるということを肌で学んでいきます。
大人が子どもに対して様々な行動を禁止することは、失敗しない環境を作って子どもを一時的に楽にするだけで、子どもが自ら考え学ぶチャンスや成長を阻害してしまいます。そこから逃げずに対峙することこそが太い幹を作り、子どもたちの生きる力を養うのです。
― アウトドア学童クラブの活動の特色を教えてください。
上級生が下級生や園児とともに活動することで、力のない子を助けてあげること、いたわること、また力のない子が、力のある子たちを見て学ぶことが生まれます。最初は自分のことで精一杯だった子が、年を重ねるにつれ自分の力がつくと、小さな子の面倒をみないといけないという自我が芽生えてくる、このことが非常に大きいのです。大人の世界だけではなく、昨今「自分さえよければ」という人や家庭が増えてきた世知辛い世の中で、「ひきょうな事はしない」という当クラブの根幹は、あらゆる子どもの教育において、最も重要視しなくてはいけないことの1つだと思っています。
また「競う遊び全てに順位をつける」「リスク説明は1回しかしない」「ネガティブワードを言わない」といった独自のルールを設け、子ども自身に責任をもたせ、前向きな考え方をもてるような環境作りをしています。その結果、子どもたち全員に目が行き届くように、1クラス6人という少人数制になっている点も特徴の1つと言えますね。
― クラブでの経験によって、子どもたちはどのように変わりますか。
アウトドアによってたくさんの原体験を積んだ子どもらは、自信がつき、前向きになり、みるみる元気になります。
当クラブは陸上クラブではありませんが、入校前まで遊んでいなかった子はメキメキと能力がつき、プログラムを始めて半年後の10月の運動会ではクラスの誰よりも足が速くなっていることが少なくありませんし、当然多くのカロリーを消費する遊びを続ければ「体内時計」が正常に戻り、早寝早起きスタイルに変化していきます。そんな子どもの姿を見て親御さんは総じて驚かれますね。
当クラブは2012年4月にスタートしましたが、引っ越しなどのやむを得ない事情以外で辞めた子どもは、まだ1人もいないのです。ものすごく辛いプログラムや失敗体験を沢山しているのに本当にありがたいことです。
プロフィール
- お名前山崎 仁彰
- お名前(ふりがな)やまざき よしあき
- 出身東京都
- 平均睡眠時間8時間
- 平均起床時間6時
- 趣味映画鑑賞、読書、アウトドア
- 今までに訪れた国10ヵ国
- 座右の銘完全原体験主義
- 尊敬する歴史上の人物武田 信玄
- 休日の過ごし方ねこ探し&鑑賞(干渉)
- 好きな漢字一文字仁
- 出身校玉川大学文学部保健体育専攻