― 山崎代表がこの活動を始めた経緯を教えてください。
まず父親の影響で幼少の頃から「本物のウィルダネス」を見たり、体験させてもらったことが大きいと思います。当時日本になかったクロスカントリースキーを履いて、ゲレンデよりさらに上のバックカントリーに立ち入ってテント泊して満天の夜空を眺めたり、小学校の夏休みや冬休み全てを、トレーラー式のキャンピングカーで生活したことが何年もありました。また同時にアウトドアにおける道具の大切さを徹底的に教わったのもこの時期でした。
大学時代は体育の教師を目指していたのですが、次第にもっと子どもたちの「現場」にこだわりたいという思いが芽生えていったんです。元々幼少の頃から勤しんだアウトドア活動には興味を持っていて、そこには学びの要素がいっぱいに詰まっていることを知っていましたから。
社会人になり最初にアウトドアショップを任されるようになって子どもたちと一緒にイベントで楽しむ機会を設けていましたが、ある時、イベントに参加してくれた子どもたちが書いた日記を見て、頭をハンマーで殴られたような衝撃を受けました。そこには「楽しかった」ということは書かれているものの、他の娯楽体験同様に、単なる思い出にしかなっていない、彼らの将来に影響を与えるような原体験はまったく存在していなかったのです。
それから失敗と成功の体験を繰り返し、子どもの時期にしか得られない貴重な原体験の場をアウトドアの活動を通じて子どもたちに提供したい、そう思うようになり、このクラブを創設しました。
― 現在の教育についてどのような思いを抱いていますか。
私は子供たちに失敗体験をたくさんしてもらうことを教育の柱の1つにしています。今は親が失敗させない環境を作り過ぎ、簡単なことで頭をなですぎている現状があると感じます。
100の力のある子は、失敗するかも知れないし、辛いことかも知れないけれど、挑戦して頑張ることで110や120までできたときに初めて褒めることが大事だと私は思っています。
社会教育でもある当クラブのプログラムを通して、子どもたちはたくさんの失敗を体験します。同時に、それを自ら克服する成功体験も多く得られます。その経験が深層にインプットされることで原体験となり、子どもたちが大人になった時どんなことにもめげずに向かっていく「生きる力」を育みます。若い頃に根を張らず、幹の細いまま派手な花をつけても無駄です。子どもの頃の体験により、やがて立派な枝葉や花をつけるために、下へ下へと根を下ろして太い幹をつくる。そのことが、少々の風や嵐に負けない折れない木を育てていくと確信しています。
― 今後のビジョンを教えてください。
私たちのリスク教育に賛同してくれる企業や団体を通じて、この教育をさらに広めていきたいと考えています。学校や家庭では学べない多くのことが詰まった成長プログラムを親御さんたちに共有してもらい、お互いに手を取り合って子どもたちの成長に寄与することが最大のビジョンです。
子どもたち自身がチャレンジする、その思いを一人ひとりの「生きる力」に変えていきたいですね。
■ 山崎 仁彰 (やまざき よしあき)
1970年、東京都生まれ。大学時代に体育教師を目指しながら、現代の子どもに不足している実践教育の必要性を感じ、今の子どもたちに足らないものをリカバリーするには「アウトドア」から学ぶものが不可欠であるという考えに至る。その後、アウトドアにまつわる多くの事業を手掛けるなど、40年以上のアウトドア経験と数万人にもおよぶ子どもたちとのふれ合いの中から見出した情熱と審美眼によって、自分の都合の悪いことから逃げずに挑戦する心を育む「リスク教育論」を推進。子どもたちの「生きる力」を育むためのアウトドア学童クラブを主宰し、多くの支持を集めている。
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プロフィール
- お名前山崎 仁彰
- お名前(ふりがな)やまざき よしあき
- 出身東京都
- 平均睡眠時間8時間
- 平均起床時間6時
- 趣味映画鑑賞、読書、アウトドア
- 今までに訪れた国10ヵ国
- 座右の銘完全原体験主義
- 尊敬する歴史上の人物武田 信玄
- 休日の過ごし方ねこ探し&鑑賞(干渉)
- 好きな漢字一文字仁
- 出身校玉川大学文学部保健体育専攻