― 三浦代表の起業の経緯について教えて下さい。

　私自身、学生の頃から身体の凝りに悩まされていて、将来はそうした悩みをもつ人たちの手助けをしたいと思いました。

　そして複数のエステティックサロンで経験を積み、自分で店舗の経営をすることは20歳の頃から決めていましたので、少しずつ貯金をし、現場でも率先して働いてサロンの流れや接客ノウハウを学んでいきました。

　ある女性エステの店舗にいたとき、「カップルのみ男性受付可能」のサロンで男性を接客する機会が多くあり、そこで男性にも癒しの場所や定期的な身体のメンテナンスが必要だということを実感していったんです。

　当時は男性が気軽に利用出来る個室のプライベートサロンが少なく、あるとすればホテルのスパや海外のサロンくらいでした。そこで男性向けのエステサロンはビジネスとして成り立つのではないかと考えたのです。

　周囲からは「マンツーマンで男性を接客する事」を心配されましたが、私自身が「今後男性にとって必要な場所」と強く思い、事業としても成功できるという自信がありました。

　そこからセラピストとしての様々な資格を取得し、2004年にアロマメンズエステティックサロン「プレサンティール」を開業したのです。

　独立した頃、いつも背中を押してくれていたのは主人でした。実は結婚を機に仕事は辞めようと思ったのですが、主人の方が「世の中の男性に必要なビジネスだから絶対に成功する。だから続けなさい」と言ってくれたんです。主人は結婚した２年後に大手企業のサラリーマンを退職し、代表となって会社の経営面を見てくれるようになったのです。

　その主人は、結婚してから６年後に胃ガンで亡くなりました。ガンが発覚して４ヶ月後というあっという間のお別れでした。闘病中、主人の介護を経験する事で「人を支えたいという想い」は強くなりました。主人の遺志を受け継ぐためにも、私が代表として、株式会社ヒーリングクリエーションの事業を世の中に広めていきたいと思っています。

― アロマメンズエステティックサロンの経営者として大切にされている事は何ですか。

　一番は、私自身が現場で働くことです。実際に接客する事でスタッフの悩みや不安を知り、働きやすい環境かどうかを自分の目で見たいと思い、今も現場に入らせてもらっています。

　私はお客様からいただける感謝はもちろんですが、スタッフからの「ありがとう」の言葉がすごくうれしいんです。仕事で煮詰まった時はみんなで飲みに行ったり、楽しく支え合いながら働くことをいつも心がけています。

　そして、私たちセラピストは日々の接客を通じて、日本を支えているビジネスマンたちが、ストレス社会でいかに頑張っているかを知ることが出来ます。スタッフみんなで「日本の男性をサポートするプロフェッショナル集団」だという誇りをもちながら、都内でトップのサロンを目指していきます。都内でトップであれば日本でナンバーワンのサロンです。世の男性たちに必要とされる中で存在意義を高め、高みを目指していきたいですね。

― 今後の展開やビジョンを教えてください。

　アロマメンズエステティックという新たな分野を確立し、これまでのメンズエステのイメージを刷新してビジネス領域を広げていくことが目標です。

　そのためにも、あと数店舗を直営店としてオープンした後に、私と同じ理念を持つオーナーを募集して全国へのＦＣ展開を考えています。そして日本アロマメンズエステティック協会の活動やスクール事業にも力を入れていきながら、メンズエステセラピストの育成を続け、アロマメンズエステティックの意義と必要性を世の中に広めていきたいと思っています。