― 中西社長が現在の会社を起業された経緯と、その思いについて教えてください。

　私は前職で営業として早い出世をした過程の中で、本気で勤めていたその会社を上場させて、社会を変革できるような影響力をもつ会社にしたいと思っていました。ところが、当時の経営陣はそうした思いはまったく持ち合わせていなかった。興味があるのは、目先の売上や利益のことだけ。なんてつまらない…と思ったんですね。私は社長の考え方を変えようと努力したのですが、１年やっても変わらなかった。そこで、その思いを実現しようと考えた結果が起業なのです。社会を変革できるような企業を作りたいという思い。そのためには総合不動産業の階段を上っていくことが必要です。その前提として、中期ビジョンで掲げる３つのテーマで業界トップになることを、いま目指しているわけです。

― 目標をともに追いかける意味で、社内の人材マネジメントで重要視していることはありますか？

　経営におけるゼロベースシンキングを大事にしています。つまり、先の３つのビジョンを追い求めるための会社の意志決定が、私をはじめ役員個人の固定観念や偏見といったバイアスに左右されないこと。そのためにゼロベースでの話し合いや、定量的分析による意志決定を重視しています。仕事で成果を出すためには何が重要かを、とにかく客観的に捉えていくこと。そうした共通認識は幹部全員きちんともっていますし、共有化は徹底してやっています。それは、確かにロジカルで客観的な視点なのですが、その根底にあるのは、夢やロマン、そしてお客様への心、つまりハートです。そこは私自身、いちばんこだわりたい部分ですね。

― 今後の事業のビジョンについて教えていただけますか？

　将来的に、総合不動産業として発展していくことを明確な視野に入れて成長を続けたいと思っています。今の業界でリーダーとなることは、あくまでもそのためのステップに過ぎません。そして総合不動産業という事業を通して、社会の変革に寄与していくことが目標です。

　現在、「レジデンス2.0プロジェクト」という会議を進行中で、年間で2,000～3,000万の予算を確保し、さまざまな新規事業を模索しています。実際に動き出している新たなプランもいくつかあって、近い将来、社会にインパクトを与える提案ができるのではないかと、私自身楽しみにしています。常に変革と開発、発展への道をあきらめない。日々成長できる企業でありたいと思っています。