※下記はベンチャー通信36号(2008年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
【インタビュー中編】“ひねらん課”の誕生秘話
― 御社の中期経営計画の中で「2011年までに100人の商人を輩出する」ことを掲げていますね。
1、10、100、1000という明確なキーワードで、2011年までに「社員1人あたりの売上高1億円」、「営業利益率10%」、「商人(経営者)輩出100人」、「グループ売上高1000億円」という目標があります。
その中の一つが商人輩出100人なのです。そして、この商人輩出こそが、最も重要かつ他の目標のキーファクターにもなっています。なぜなら事業はすべて“人”で決まるからです。“人”が事業を創り、“人”が事業を育む。そして、この“人”の中心に位置するのが商人というわけです。
― 商人輩出にあたって、御社ではどのような施策を打っているんですか。
当社では数多くの社内研修や育成プログラムがありますが、その中でも特徴的なのがBLP(Business Leadership Program)というプログラムです。これは20代の商人をつくることを目的に開発したものです。セプテーニグループの社員なら誰でも参加できる公募制を採っています。
このプログラムは“徹底的な知識のインプット”と“ハードな環境への挑戦と完遂”を軸に構成されています。ちなみにこのプログラムはリーダー育成で定評のある株式会社グロービスさんのマネジメントスクールに協力して頂いています。そして、実践の場としては、先程も話にあった新規事業開発部である“ひねらん課”があります。
― “ひねらん課”は、どういう経緯で誕生した部署なんですか?
ちょうど1999年、会社設立10年目の頃。当時、当社は今のようなインターネット広告事業ではなく、アウトソーシング事業をしていました。この事業は順調に推移していたので、何かもう一つ事業の柱になるものがほしいと考えるようになりました。会社にも余裕が出てきたので、6ヶ月くらい利益を生み出さない事業でも将来性があればチャレンジしてみたいと思ったんです。
そんな時、現在セプテーニ社長の佐藤(当時、新卒入社3年目)が「もう今の仕事に飽きました。何か新しいことがしたい」と生意気なことを言ってきた(笑)。しかし、彼の気持ちも分かりました。私も前職のリクルートで同じようなことを考えていたので。
ちょうど会社も新規事業にチャレンジする時期で、やりたいと手を挙げた人もいた。タイミングが良かったんです。そこでできたのが、“ひねらん課”というわけです。だから、“ひねらん課”は当初は佐藤一人のためにつくった部署みたいなものでした。
― なるほど。そこの詳しい話は、後の佐藤さんのインタビューで聞くとして、七村さんが新規事業を任せる時、その人選はどのように行うのですか?
まず本人のやる気を見ますね。情熱こそが、全ての原動力になると考えています。私の尊敬する経営者に京セラ創業者の稲盛和夫氏がいます。稲盛氏の言葉に「人生・仕事の結果=考え方×情熱×能力」というのがあります。稲盛氏は、この中で一番大事なのは考え方だとおっしゃっています。利他的に考え行動せよと。私もその通りだと思います。しかし、私は特に若いうちは考え方よりも、情熱の方が非常に大事だと思っています。
若い人に正しい考え方を求めてもなかなか難しい。若いうちにそんな立派な考え方は持てないと思います。だから考え方も大事だけど、まずは若いうちは情熱が第一だと思うんです。情熱があれば、年とともに成長して考え方も良くなっていく。世の中において、何が良くて何が悪いのか。そういうことが年とともに見えてくる。
だから、まず若いうちは情熱が最低限なければいけないと私は考えています。情熱があって、行動して、数多くの経験をして、能力が高まり、そして考え方も変わっていく。そして利他的に考えられる人間になっていく。こういうサイクルが大事だと思っています。
プロフィール
- お名前七村 守
- お名前(ふりがな)ななむら まもる
- 出身大阪府
- 身長172cm
- 体重72kg
- 平均起床時間4時 30分
- 趣味ゴルフ
- おススメ本『ビジョナリー・カンパニー2』
- 購読雑誌日経ビジネス、プレジデント、週刊ダイヤモンド
- 家族3人
- 今までに訪れた国10ヵ国
- 座右の銘自分の人生の主人公は自分だ
- 尊敬する人稲盛 和夫
- 好きな食べ物若ごんぼ
- 嫌いな食べ物生もの