― 「塾経営において大事なこと」とは何だったのですか。
大きく分けて4つあります。1つ目は、成績を上げるための指導力にあたる「教務力」。これは先ほどお話しした指導ノウハウにあたるものです。2つ目に、事務的業務などの「運営力」。この運営力により、塾の会報の内容や電話対応、教室の清潔さなど、ありとあらゆる点で塾の質や信用力に差が出ます。3つ目に、塾の魅力をきちんと伝える「広告力」。虚偽のない、訴求力の高い広告を作ることです。そして4つ目が、生徒本人や保護者との「面談力」。双方に伝えるべきことを伝える力のことです。例えば、生徒本人が自覚していない不得意科目があるとします。その場合には、本人だけでなく親御さんにもはっきりと、その科目を受講するべきことを伝えなくてはなりません。なぜなら、最終的には生徒を第一志望校の合格に導いてこそ、塾としての信頼を得ることにつながるからです。
私はこの4つの力を高めたうえで、2004年、30歳の時に2校舎目を作りました。「拡大路線をとっていこう」と決断したのです。ただし、目標は売上を上げることよりも指導品質で日本一になること。結果として、規模でも日本一の個別指導塾を目指そうと考えました。
経営ノウハウを学んだ成果もあり、この2校舎目では開校1ヵ月にして生徒数100名を突破。これにより複数校の経営法を多少なりとも経験し、2006年からは次々に開校しました。結局、約370校を開校。近年生徒数は急増し、現在19,000名。この成長率は、塾業界ではトップクラスだと自負しています。
― 経営規模を拡大しながら、高品質の教務力を維持する秘訣は何ですか。
「個別指導専用教材」と「講師用の生徒指導マニュアル」です。全国展開をしていく上では、まず教材の力に注目しました。講師の教務力に左右されやすい塾業界向けの定型教材から脱却し、個別指導専用教材を制作することにしたのです。個別指導専用教材を制作するにあたっては、全国の塾の何万枚もの定期テストを回収して分析。テストでよく出題されるところ、絶対覚えなければならないところ、間違えやすいポイントなどを教材の中に書き込みました。
一方、「講師用の生徒指導マニュアル」には、個別指導専用教材の読み方、教え方、小テストの出し方、宿題の出し方、モチベーションのかけ方などが書かれています。つまり、“教える”という経験の少ない講師でも、「個別指導専用教材」と「講師用の生徒指導マニュアル」を使えば必ず高品質な指導ができるようにしたわけです。具体的に言えば、この指導マニュアルと個別指導専用教材を用いれば、90%以上の生徒が平均20~30点アップできる内容になっています。また、これらの個別指導専用教材や生徒指導マニュアルは、私や社員の経験を活かし、毎年ブラッシュアップしています。
当社を含め、日本の個別指導教室の講師は90%以上が学生です。だからこそ、彼らには“生徒に指導する”ための手法を徹底して教え込まなければなりません。授業内容にメリハリをつけ、生徒を退屈させないよう時には笑わせ、時には励ましやる気にさせる。塾講師にはそういう「技」が必要なんです。しかし、塾側がそれを教えようとすると学生が面倒くさがって逃げてしまう。だから教えない。これが講師の質の低下を招いているのです。
当社の講師採用基準は競合他社より圧倒的に厳しい設定にしています。これは当社が講師陣に求める質の高さでもあるのです。
― 御社は正社員の採用にも力を入れています。正社員は教室をマネジメントする教室長を務めるそうですね。どのような人材を採用したいと考えていますか。
何にでも前向きに取り組める、チャレンジ精神旺盛な人がいいですね。学習塾は古くからあるビジネスです。しかし、当社はこれまでの業界の常識にとらわれず、ベンチャー精神を持って、チャレンジを続けています。だからこそ、つねに「変革」、「改善」といったことを考えられる提案力のある人材が必要なのです。
もちろん生徒本人や保護者の方、学生講師たちとのコミュニケーション能力は必須。IQだけでなく、心の知能指数ともいうべきEQの高い人を必要としています。当社の正社員の求人倍率は、事業拡大にともなって上昇し続け、現在はとても「狭き門」となっています。求められる能力も高いのです。
また、正社員はすべてのポジションにおいて立候補制を導入しています。“やりたいことができる”という環境を整備しているのです。新人であっても、適性は本人と周りのメンバーの同意を取りながら決定。そのほうが社員のモチベーションも上がるはずですからね。実際、入社から1年半で、課長職にあたるブロック長になった者もいます。
― 最後に、御社の今後のビジョンを聞かせてください。
指導品質で日本一を目指しています。塾を立ち上げた当時のこの熱い想いは、これからも大切にしていくつもりです。そのうえで個別指導塾の経営を通じて、少しでも多くの子供たちの夢の実現をバックアップしたい。そのためにも、まず3年以内に400教室。さらに15年後には2,500教室に拡大したいですね。質はもちろん、規模でも日本一の個別指導教室を目指しています。
■ 福盛 訓之 (ふくもり としゆき)
1993年大学在学時19歳で起業、1996年新教育総合研究会株式会社を設立代表取締役に就任。指導品質、事業規模日本一の学習塾創りに邁進している。現在同社は全国約370校、約19,000名の生徒が在籍。
【同社の主な受賞歴】
★働き方改革関連
四條畷市男女共同参画推進事業者表彰受賞(2015年)
大阪市女性活躍リーディングカンパニー表彰優秀賞受賞(2016年)
彦根市男女共同参画推進事業者表彰受賞(2017年)
第1回学生に教えたい「働きがいのある企業大賞」奨励賞受賞(2018年)
第5回「ホワイト企業大賞特別賞」受賞(2019年)
第1回「大阪府男女いきいき事業者表彰優秀賞」受賞(2019年)
★成長、優良企業として
就活AWARD(2015年)
優良成長企業認定受賞(2016年)
第9回経営合理化大賞・フジサンケイビジネスアイ賞受賞(2016年)
個別指導塾総合満足度最優秀賞受賞(2018年)
【福盛訓之の主な受賞歴】
★経営関連
東久邇宮記念賞「発明功労」受賞(2013年)
東久邇宮文化褒賞「教育功労」受賞(2013年)
LEADERS・AWARD(2014年)
第33回「優秀経営者顕彰」日刊工業新社賞受賞(2015年)
第21回稲盛経営者賞第1位受賞(2016年)
第25回盛和塾世界大会最優秀賞受賞(2017年)
東久邇宮平和賞受賞(2018年)
★社会貢献活動関連
金色有功章受章(2012年)
大阪市市長感謝状拝受(2012年)
紺綬褒章受章(2013年)
大阪府知事感謝状拝受(2013年)
高円宮名誉総裁章受章(2014年)
第50回功労者表彰「秋篠宮殿下より」(2016年)
四條畷市市長特別感謝状拝受(2018年、2019年、2020年)
四條畷市市政功労者表彰(2020年)
紺綬褒章飾版受章(2021年)
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イシン株式会社
プロフィール
- お名前福盛 訓之
- お名前(ふりがな)ふくもり としゆき
- 出身大阪府
- 身長166cm
- 平均睡眠時間7時間
- 趣味奉仕活動、宝塚歌劇鑑賞、相撲観戦 乗馬、茶道、 旅行、グルメ、読書 ボンボニエール収集、 神社仏閣巡り 御朱印集め、歴史研究
- おススメ本歴史関連の本
- 購読雑誌経済誌など
- 今までに訪れた国20ヵ国
- 座右の銘強烈な願望を持ち続ける・誰にも負けない努力をする
- 尊敬する経営者稲盛和夫
- 嫌いな食べ物特になし
- 好きな作家司馬遼太郎