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株式会社ワールドパーティー 代表取締役 中村 俊也

独自ブランドを展開する〝唯一無二〟のレイングッズメーカーとして社会に役立ちたい

 同社が大切にし、社員全員が共有する経営理念は、「人に幸せをつくる 自分達が成長する努力を怠らない 社会への貢献を惜しまない」こと。代表取締役の中村俊也氏は、「売上よりも、ブランドを成長させたいという想いで走ってきました」と熱く語る。世の中になければ、自分たちで創る。社会に本当に必要な「唯一無二のもの」を――。
創業以来23年目、オリジナルブランドを立ち上げてから13年目を迎えた今、業界で数々のイノベーションを起こしてきた同社成功の舞台裏について、中村氏に伺った。

「唯一無二のブランドを 成長させたい!」という熱い想いが 事業を加速させていった

― 御社の事業内容について教えてください。

 当社の現在のメインの業務はレイングッズの企画・製造・卸販売ですが、実はそのルーツは僕の出自に関係しています。僕の両親が傘の加工業を営んでいたので幼い頃から傘が身近にありました。当時はまだ傘は雨をしのぐ道具であり、ファッションアイテムという認識は僕にはありませんでした。しかし、僕が高校を出て服飾の専門学校に通い、ファッション関係の仕事に就きたいと思っていた矢先に、梅田ロフトの傘売り場でファッション雑貨としての傘を見た時に衝撃を受けました。「これなら、自分にもできるかもしれない」と。そこでさっそくサンプルを作ってロフトへ持ち込むと、幸運にもすぐに商品を入れてもらえたのがこのビジネスを始めたきっかけです。

― レイングッズの展開で年商40億に迫る勢いですが、国内市場が縮小する中でなぜ成長できたのでしょうか?

 うーん。おそらく、最初から「年商を伸ばしたい」という観点ではなく、一貫して「自社ブランドを成長させる」という想いをキープしてきた結果じゃないですかね。つまり、メーカーとしての製造請け負いではなく自分たちで軸になる商品を作ることで事業へのモチベーションを持ちたいと思ったからです。
ただ売り上げがあっても、仕事がつまらなければ、やっている意味がないと思っていましたから。

 昔から雨具の中で最も必要とされるのは傘ですが、その傘のブランド品といえば百貨店で売られているライセンスブランド品を指すのが世間一般の認識でした。その流れを汲んで、ブランドのライセンス傘を作るビジネスもあったのかもしれませんが、僕には何の面白みも魅力も感じませんでした。どうせなら、もっと夢や希望を持てる商売をしたい。既存のものを追いかけてもワクワクしませんから。だからこそ、自分たちの軸となる「唯一無二」のものを創って発信しようと思いw.p.cを立ち上げたのです。

 もちろん、最初は規模も小さく予算も少なく、ましてや傘のドメスティックブランドは、なかなか受け入れてもらえなかったですね。すごくコンプレックスを持った時期もありました。しかし、僕には単に売れるというだけではなくブランドを成長させたいという強い思いがあったので、軸はぶれなかったですね。そのコンプレックスが原動力となって今があるのかなぁとも思います。いや、振り返ってる場合じゃないですよ。笑 まだ全然、途中ですよ。

― その上でどんな苦労がありましたか?

 ブランドを立ち上げた時、会社の組織拡大が必要だと考えて人材を募集しましたが、なかなか集まりませんでした。当時は両親が加工業をしていた実家の住居の1階をオフィスとしていたので、デザイナーや営業の求人を出してもほとんど誰も来ませんでした。おそらく面接までこぎつけたとしてもおそらくオフィスの前まで来て「逆・門前払い」をされていたのかもしれません。笑 しかしその後、一人ずつ社員が増えて8人になり、小さいながらも自社ビルを建てることができました。

著名経営者

  • エステー株式会社

    鈴木 喬
  • 株式会社IDOM(旧:株式会社ガリバーインターナショナル)

    羽鳥 兼市
  • 株式会社スタジオジブリ

    鈴木 敏夫
  • GMOインターネット株式会社

    熊谷 正寿
  • シダックス株式会社

    志太 勤
  • テンプスタッフ株式会社

    篠原 欣子

プロフィール

  • お名前中村 俊也
  • お名前(ふりがな)なかむら としや