― 御社の事業内容を教えてください。

　クライアントの企業向けに、起業から約10期目までの各成長フェーズにおいて、経営体制の確立をはかるための経営管理業務ソリューションを提供しています。税務や法務、人事・労務や総務、営業・マーケティングなどの分野において、各領域における専門家と連携し、立ち上げからアーリーステージにおける経営管理業務のサポートを主な事業にしています。

― 具体的にはどのようなサポート内容ですか。

　特にアーリーステージの経営者は、本来の事業に集中するあまり、自社の経営体制の確立がどうしても後回しになります。逆に言えば、社長が経営管理業務に手を取られていては、本来進めるべき事業に力を注げない状況に陥ってしまいます。

　かといって、税務や労務、法務をはじめとした経営における相談をまとめて聞ける場所はなく、確立すべき経営体制は多くが手つかずのまま残ってしまうことが少なくありません。

　当社では、たとえば税務の記帳代行や財務管理を当社ネットワークの税理士・会計士が行い、労務管理が必要な場合は同じく社会保険労務士が一緒になって業務を行います。その他、販促やマーケティングの分野では企画コンサルティング会社、また行政書士や司法書士、人材コンサルティング会社や投資会社、不動産会社など、あらゆる領域のプロフェッショナルのネットワークによって二人三脚での経営サポートを行っていくのです。

― なぜそのような幅広い事業領域がもてるのでしょうか。

　将来は、起業して自分で事業をしたいという気持ちが学生のときからあり、なかでも多彩な専門家との共存共栄を図るようなビジネスをしたいと漠然と思っていました。そのためにも20代は業界や職種を問わず、多くの業務経験を積むことを自らの課題として取り組んできたのです。

　営業戦略のコンサルティングや精密機械の開発技術職、保険代理業などを経たあと、社会保険労務士事務所で企業労務を専門にノウハウを積み重ねてきました。もともと人とコミュニケーションを取ることが好きでしたし、多くの業界や職種に携わる過程で各分野の専門家とのネットワークを構築できたことが大きかったと思います。

― 起業につながったのはどのような思いからだったのですか。

　前職の社労士事務所で、本来の事業と経営管理業務をすべて自分で行っている多くの中小企業の経営者を見てきました。「優れた技術やスキルがあるのにそれに集中できない」、「財務や労務管理を誰かに任せて本業に集中できれば大きく業績を伸ばせるのに」と感じるお客様が多かったのです。

　また各専門家に個別で相談しても断片的な回答が得られるだけで、クライアントが望むような包括的なサービスを行えるところがない状況を見て、何とかしたいと思いました。