― 御社がクライアントから支持を受けてきた理由は何でしょうか。

　あらゆる課題に親身になり、真剣に向き合ってきたことではないでしょうか。相談のなかで出てきた課題には、熱い気持ちで共に頑張り、一緒にぶつかるスタンスを大事にしています。知識や理論はもちろん大事ですが、クライアントの価値観を大事にしながら、一方で専門家のノウハウを活かす形でうまく融合させていくことが必要です。

　当社はクライアントからのご相談に対して、単なる専門家の紹介に留まることはありません。根本課題の把握と解決策を一緒に考えながら、パートナー企業として信頼いただくことを何よりも重要視しています。

　私自身前職では営業も経験し、お客さまの要望に応えることに仕事のやりがいを求めてきました。人の困りごとを解決し、新たな価値観を手にしてもらうことに一番の喜びを感じてきた経験が、ベースになっていますね。

― これまでの主な支援事例について教えてください。

　創業5年のトレーニングジムに、2年目のアーリーステージから携わっています。社長に経営管理業務を整備する必要性を理解してもらい、従業員に対する労務管理から支援しました。勤務体制や福利厚生面をテコ入れすることで従業員の仕事へのモチベーションが上がり、次に財務を可視化することで経営陣と課題を共有していきました。

　社長はもともと販促面での強みがあるのでそれに集中してもらい、管理部門を当社で引き取り実務面でのサポートを行ったことで、売上は目に見える形で伸びていきました。現在は店舗も3店舗に増え、従業員も3名から10名以上に増えるなど業容が拡大しています。

　もう1つは動物病院で、院長の診療業務が激務で、管理部門の体制がなかなか進捗できない状況がありました。労務と財務の両面を整備した結果、労務面のトラブルが発生した際にも早期に収束でき、本業に与える影響もほとんどなく解決を図ることができました。

　やはりアーリーステージの会社は、何が不足しどこに力を入れるべきか、その判断が的確にできないという状況があります。経営課題を明確化し、効果的に解決するには第三者の専門家の力を借りることが非常に大事だと思いますね。

― 今後のビジョンを教えてください。

　全国のアーリーステージの中小企業様に当社のサービスを知っていただき、浸透させていきたいと思います。こうした士業のトータルサービスの事業モデルはまだまだ日本に少なく、当社はその先駆者としてリーズナブルにシステムを提供できる強みがあります。質の高い日本の中小企業の力を世界に今一度見せていくために、アーリーステージの支援によって企業の質の向上に貢献したいと考えています。

　そのためにも、今後力を入れていきたいのは人材の活性化です。中小企業の入社の際に試用期間を導入するシステムを設けるなど、新たな雇用形態の実現をお手伝いできるような事業も考えていきたいと思っています。