※下記は経営者通信35号(2015年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
事業部ごとにトップをつくり 後継者を育てていく
― 鈴木さんは80歳になります。後継者育成については、どんな手を打っていますか。
事業部ごとのトップを何人もつくっていく方針を立てています。そのなかから、後継者が出てくればいいと。
カリスマ経営者なんて、育成しようと思ったってできやしないんですよ。もしいたら、もう寝首をかかれて、そいつがトップになっていますよ(笑)。それよりも小さなトップをたくさんつくったほうがいい。
「すべては自分の責任だ」 なんて考えなくてもいい
― それはなぜでしょう。
マイクロバス1台分くらいの小さな組織がちょうどいいからです。「小さい会社は不利」という常識は間違い。経営資源は少ないですが、スピードがあって有利なんです。ただ、エステーは分割できないから、事業部にしようと。事業部長に全権を委任して、そのなかから力量のある人を社長にします。これまでに4つをつくりました。2015年4月から9つの事業部で動きだします。
― 最後に、中堅・中小企業の経営者へアドバイスをお願いします。
あまり思いつめずに、ニコニコしてください。そうすれば、たいていなんとかなります。たかがビジネス、命までとられるようなことはありません。肝っ玉を太くして、なんとかなると思っていたほうがいいですよ。
事業にはいいときも悪いときもあります。悪いときにシケた顔をしていたら、ツキもやってこない。逆にうまくいったからといって調子に乗らないほうがいいですな。
やれ不景気だ、円安だと顔をしかめていてもしょうがない。そのうち次の案がでてくることもあれば、再び円高になって解決することもあるんですよ。短絡的に見て泣いたり怒ったりしないほうがいいですよ。心がリラックスした状態でないと、適切な経営判断はできませんから。
それから、あまり自分のせいにしすぎるのもいけません。社長はよく「すべては自分の責任だ」と思いつめてしまう。そんなプレッシャーをしょっちゅう感じてたら、つぶれちゃいますよ。
■ 鈴木 喬 (すずき たかし)
1935年、東京都生まれ。家業の日用品ディスカウンターの仕事を戦後間もない小学生のころから手伝う。1959年に一橋大学を卒業後、日本生命保険相互会社に入社。40代で法人営業部門を立ち上げ、年間契約高1兆円以上のトップセールスマンとして活躍。1985年にエステー化学株式会社(現:エステー株式会社)に出向し、1998年に代表取締役社長に就任。バブル期の負の遺産を処分し、「消臭力」をはじめとする商品開発によってヒットを連発。2012年より代表執行役会長を務める。
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プロフィール
- お名前鈴木 喬
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